夜草と夜想の影 陽がのぼるまで evergreen
花が不燃ごみとともに、捨てられた路上。
側溝の網目を、くぐれない不運な夜草。
誰も眼もくれず、スタスタと通り過ぎていくが、夜草が今夜も花を咲かせている。
日々、声もだせず、動くこともできず、静かに、たえまなく根を、枝葉をのばしていく。
ただ、風にふかれて、雨にうたれて。
闇。
走り過ぎるヘッドライトから白く浮かびあがり、
そして闇、
そしてテールライトに赤く照らされて、
そして闇。
けれども、陽はのぼる。
そしてあまねくすべてを、差別なく、平等に照らそうとしている。
ヒトは不必要な影をつくりすぎた。
evergreen.