アサガオのヨコガオ
牛蛙の鳴き声を聴きながら、
梅雨の晴れ間、束の間の曇り空の下、アサガオのヨコガオを見ていた。
「花と子どもを撮るようになったら、終わりだよ」と、昔、大学の偉い誰かが云っていた。
僕はそうは思わない。
「肩書きと権威のぶらさがり健康器だけで生きるようになったら、終わりだよ」
僕はそう思う。
何と呼ばれるかなのかというよりも、
何をして走り続けているかが、僕の会いたいヒト。
そういうヒトのヨコガオを観ていたい。
権威のマショウメンのカオは、ときどき嘘をつく。
日本のすべての国民に一律10万円というが、
住所不定のヒトはもらえないそうだ。
車で暮らすヒトや路上生活者はもらえない。
豪邸で暮らす六人の家には60万円。
牛蛙はときどき頼もしく共鳴する。
それぞれの名前すらないが。
アサガオのヨコガオは美しい。